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シングル用住宅にはルームシェアリングが面白い

アメリカ留学から戻った姪(めい)が、アパートを探していて深々とため息をついている。「どうして東京ではこんなに狭いところがこんなに高いの?」と。通勤に便利な場所に部屋を借りようとすると、とても新入社員の給料では追いつかない。借りられそうな家賃のワンルームマンションは15〜16平方メートルくらいしかなく、おまけに収納もない。ということは、ベッド以外に箪笥(たんす)も置かなければならず、足の踏み場もないということ。住まいは気持ちを癒やす、または明日へのエネルギーを充電する大切な場所なのに、「うさぎ小屋ってこのことなのね」と顔を曇らせている。

 東京のように土地代の高いところでは「家賃が高くてスペースは狭い、住みにくいのも仕方がない」とあきらめている人も多いかもしれないが、工夫の余地はあるはず。4〜5人でルームシェアリングができるようにマンションを建てれば、もっと合理的に安く住めるはずである。

 住まいの中にある生活必需品を、プライベートなモノと他人と共用してもよいモノに分け、共用できる場所とモノは何人かで割り勘にして賃料を払うという方法も一案ではないだろうか。

 居住空間の中から、どうしてもプライベート使用したいモノと、追い出せそうな設備やモノを探してみる。ベッド、収納、シャワールーム、トイレはプライベート空間に必要。リビング・ダイニング、洗濯機・乾燥機、キッチン、電子レンジなどは4〜5人でシェアしても問題はない。ルームシェアリングでいざこざの種になりやすい冷蔵庫は各室に備え付ける。

 プライベート空間は個人専用として確保し、リビング・ダイニング・キッチンなどパブリック空間はほかの人とシェアする。洗濯機・乾燥機は、マンション全体で1カ所の洗濯室があれば十分だ。

 マンションの共用入り口を入り、4〜5人用1ロット(4〜5室のプライベートルーム+LDK)の玄関を入ると、LDK(みんなの広場)を囲む形でプライベートルームが配置されているというイメージである。LDKは土間空間で靴のまま使用し、プライベートルームに上がる所で靴を脱ぐ。共用出入り口、ロットごとの玄関、プライベートルームの入り口と鍵は3本。セキュリティーにも配慮が必要であろう。

 仕事に疲れて遅く帰った日などは自室に直行し、シャワーを浴びてさっさと寝る。早く帰れた日や休日はのんびりLDKでルームシェアリング仲間と時間を分かち合う。このような考え方でいけば、一人当たりの家賃負担額は下がりそうだし、使えるスペースも広がるのではないだろうか。1棟のマンションの中にシングル者用ルームシェアリングタイプを複数混在させることによって、借りる側は選択肢を広げることができる。

 東京に働く外国人も増えた現在、ルームシェアリングは十分借り手に受け入れられる手法になっていると思われる。また、単身赴任者用に企業が1ロットを借りることも考えられる。若者の単身者用としてばかりでなく、高齢者のコミュニティーとしても面白いのではないだろうか。

2004年11月19日 asahi.com

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